キリムは歴史を刻むもの。
新しいものはフレッシュな色合いを楽しんで。
年を重ねると踏まれたり、擦れたり、洗ったり、布で磨かれたり…
だんだんとくたびれて、何とも言えない枯れた味わいが出てきます。
*普段のお手入れ
元来、絨毯やキリムはそう頻繁に洗ったりするものではなく、
お手入れで大切なのは、むしろ埃を払ったりこまめに湿気を抜くことでしょう。
普段は掃除機をざっとかけるだけで充分です。ペットの毛や埃等が吸い取りにくい場合は、
粘着テープを軽く使用されても構いません。
しょうゆなどの液体をこぼしてしまった場合は、塩を汚れ部分に置いて水分を吸い取らせ、
しばらくしたら、ふき取ります。必要な場合には水洗いします。
丈夫なキリムは殆ど手入れはしなくても、使用には差支えないものですが、
(ジーンズも風合いを保つために、あまり洗わない方がいらっしゃるように?)
室内でお使いになる場合は洗うとさっぱりしますね。
下に洗い方をご案内しましたので、お使いになる状況やお好みでどうぞ。
*洗い方
1.平らな場所に広げて置いて、充分に水をかける。
2.シャンプーをよく泡立てて表面にのせる。
3.やわらかいブラシをかけて裏表全体をよく洗う。
4.シャンプーの成分が残らないようにしっかりと水ですすぐ。
5.平らな場所に半日以上置いて、水をよく切る。
6.しずくが垂れないほどに水が切れたら干してよく乾かす。
*「塩素系漂白剤」や「蛍光増白剤がはいった洗剤」は変色や不自然な色あせの恐れがありますので、
ご使用にならず、ウール用洗剤や頭髪用シャンプーをお使いください。
*柔軟剤のご使用はおひかえください。
多くの柔軟剤に入っているシリコン系成分は繊維をコートし、一時的に表面を滑らかにしますが、
吸湿性を低下させる恐れもあります。
また、ウールの内部に含まれている油分は使えば使うほど表面に染み出し、
自然なつやや滑らかさを与えますが、柔軟剤はその働きを妨げる可能性があります。
*保管方法 長期保管する場合は、以下のことにご留意下さい。
・湿気のたまらない場所に、必要に応じて防虫剤などを使用して保管してください。
・ヒーターなどの熱のあたる場所、長時間直射日光のあたる場所はお避けください。
・強い化学物質を近くに置かない。(臭いがついたり、素材を痛める恐れがあります。)
《その他知っておいていただきたいこと》
*性質の違う毛糸が混じることがあります。
特に家庭用に織られたものは即興性が高く、自分の手元にある糸を適当に使って織ることもあるために、
性質の違う毛糸が混じることがあります。ご理解ください。
*乾燥につきましては、色あせを極力防ぎたいのであれば、風通しのよい場所で陰干しをしてください。
しかし、太陽の下で乾かしたものは気持ちの良いものです。
人間と同じように多少の日やけが気にならなければ、お好みで選んでいただいてよろしいかと思います。
(あくまでも個人のご判断でお願いいたします。)
■オールドキリムについて…
遊牧民の生活用品として作られ、使い込まれてきたオールドキリム。
羊の毛を糸にすることから始まり、染や織りも今よりも何倍も手間をかけて作られたことでしょう。
そして、何より一家のお母さんが家族のために織り上げたという思いが込められています。
キリムは長い年月を経ても丈夫なようにしっかり織られ、大切に使えば100年以上はもちます。
そんな使い込まれたキリムの手触りは新しいそれに比べ、柔らかくしなやか。
カラーもさらに渋さを増していきます。新しいキリムとは違った深い味わいをぜひ体感してください。
また、オールドキリムは蚤の市のような所や知り合いや人づてを頼って手に入れることが多いようです。
経年数や産地につきましては実用品という側面から正確に特定するのは難しく、
あくまでも現地の専門家や持ち主の見立てによることが多いことを、ご承知おきください 。